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  1. 国立大学法人 北海道教育大学
  2. 大学紹介
  3. 学長室から
  4. 学長メッセージ
  5. 平成30年度
  6. 平成29年度卒業式式辞(函館)

大学紹介平成29年度卒業式式辞(函館)

?? さて、函館校の国際地域学科を卒業する皆さん、国際地域学科は、皆さんには今更言うまでもないことですが「地域学」という学問を基礎に置いています。その上で、「国際」という文言を冠しているのは、現代社会において、地域のあらゆる問題が、地球規模の視点をもって、あるいは国際関係の上から俯瞰的に捉えなければ意味をもたない時代になったからです。
? 学科を卒業する皆さんは、講義や体験的な授業を通じて国際的な視野を獲得し、英語能力も高め、地域プロジェクトなどを通じてコミュニケーション力も鍛え、地域活性化のために働く力を身につけたことと思います。地域というものの成り立ちやその土地の歴史?自然?文化?経済の実態を踏まえた、そしてなによりも住民の生き甲斐というものを大事にした町づくりや地方創生を考えるには、それを牽引していく人間に、様々な学問の知識が必要だということを、この4年間を通じて実感したのではないでしょうか。
? 函館校の特色ある授業の一つに、海外での体験型授業である「海外スタディーツアー」があります。国際協働グループの約7割の学生がそれに参加していると聞きました。日本人が内向き志向になっていて、なかなか海外に目が向かなくなっているという資料を見るにつけ、まずはこの授業のようにグループで参加する機会をつくることが、何よりも効果的ではないかと思います。この授業に参加した人は、実際に海外に出かけて見聞を広めることを通して、その地域固有の課題や日本とも共通する課題に気づいて勉強の種を拾うことができるし、また、研修先の都市に実際に暮らして、もっとそこで勉強してみたいと思う人も出てくると思います。この授業をきっかけにして、留学を目指す学生が函館校からたくさん出てきてくれることを期待しています。
この授業との関連は確かめていませんが、函館校の地域教育専攻に所属する村田幸恵さんがベトナムの小学校でボランティア活動をしたことを知りました。その活動により、国際ボランティア大賞2016北日本大会で優勝したということです。「貧しくても子どもたちが楽しく勉強している姿から、幸せの形は人それぞれだと感じた」「今後も子どもたちの学びを応援したい」という彼女の抱負に頼もしさを感じました。海外に行って学ぶ、海外に日本の良さを伝える。色々な関わり方があると思います。国際地域学科で学んだ皆さんには、これからの職場でも、国際的な貢献という思いを持ち続けてほしいと思います。

? 函館校のソーシャルクリニックという事業もユニークな活動です。これは、自治体協力の下に学生と地域住民による地域課題の診断から始まり、次に、治療を行うための処方箋を提案、そして実際の治療と検証という流れになっています。治療の後は地域自身が元気になって、もう助けは不要になることを目指していると聞き、「なるほど、それでクリニックか」と、改めて感心した次第です。この事業の基本的な部分に、そこに住んでいる住人に、自分の地域の良さを再発見してもらうという挑戦的な発想があります。学生の、「外からの視点」「若いからこそ発見できること」「教員にも気づけないこと」があったのではないでしょうか。実際、江差町での「まちづくりカフェ」「エエまちづくり」などの事業が積極的に進められており、地域資源再評価に関わる調査も行われているようです。学生?教員?地域住民がともに関わりを持って行っている事業だということが大切だと思います。学生の側から見れば、一方的に教員から教えられるのではなく、実際に現地を見て、住民の話を聞き、地域課題を自分自身の課題として捉え、理解し、その解決のための処方箋を考える。学んだことが実際に生きる取り組みになって実践力が鍛えられると思います。
? 授業で行っている「地域プロジェクト」の成果をホームページで少し見ました。最初に述べた「課題解決のための実践力」「様々な知識を縦横に組み合わせて新しいことを生み出す」ということがまさに実現されていると感じました。自治体や地域の連携先の方々からも、期待感をもって見られていると思います。実際、これからの地域や日本を背負って立つのは皆さんなわけですから、皆さんが身につけたものを、社会で存分に発揮してください。

? ところで、本学にもう一つの学科があることを知っていますか。岩見沢キャンパスの芸術?スポーツ文化学科です。
芸術?スポーツ文化学科は「文化学」をベースとしています。音楽?美術?スポーツというのは、人を励まし、慰め、癒し、そして勇気づけ、元気づけ、絆をつくることに大きな力を発揮します。東京オリンピック招致のために行った、谷(旧姓佐藤)真海さんのプレゼンテーションの中には、彼女自身の経験を踏まえた、スポーツがもつ力のことが実感を込めて述べられています。
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? I am here because I was saved by sport. It taught me the values that matter in life.

? スポーツによって救われたこと、そして、スポーツが人生に及ぼす価値を教えてくれたことを述べています。
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? Only then did I see the true power of sport… [sic] To create new dreams and smiles. To give hope. To bring people together.
? More than 200 athletes…[sic] Japanese and international… [sic] making almost 1,000
visits to the affected area… [sic] are inspiring more than 50,000 children.

? スポーツの真の力が分かった。それは、新しい夢や笑顔を作る。希望を与える。そして人々をつなぎ合わせることだ。実際、東日本大震災の時に、200人以上のアスリートが、延べ1,000回現地に訪れ、5万人の子どもたちを元気づけ奮い立たせたでしょう、と主張しました。

? 岩見沢校では、このような芸術?スポーツの文化力を地域課題解決のために活用できるようなマネジメント力を獲得させ、「芸術?スポーツ文化による、生き甲斐づくり?健康づくり?まちづくり」ができるような研究を行って、実践力を育てます。
地域再生?活性化のための力を身につけるという点においては函館キャンパスと共通です。互いに協力できたら良いなと考えています。

? ところで地域教育専攻の学生さんを含めて、皆さんの中には学校の教員になる人もいるでしょう。子ども、あるいは人間理解につながる教育科学や、教科に関する知識?技能を獲得するための人文?社会?自然科学など、多岐にわたる専門的知識を吸収したと思います。それだけでなく、教育実習や教育フィールド研究などでは、学んだ教育理論を踏まえた実践を積みながら経験知を増やし、それら全てを自分の中で構造化して、教育の意味とその営みの全体像を理解したはずです。ただし、それでもまだ骨格がつくられたに過ぎない段階です。これからは、あなたの目の前にいる一人一人の多様な子どもたちから多くのことを学び、課題を自分で見出しながらその解決のための新たな知識と理論を学んで肉付けしていかなくてはなりません。さらに、教科の内容や理論、教授法、学習指導要領は変わっていくものです。常に新しい知識と理論を吸収して新陳代謝を図ることも求められます。
? 教員に対する風当たりも多少強いかもしれませんが、その苦労はどこかで必ず報われる職業だと、私は思います。

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注:英文原稿は、「TOKYO 2020年オリンピックに導いた感動のプレゼンテーション. 2013. 国際情勢研究会」より一部抜粋して引用

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