教員養成イノベーション機構について機構長の挨拶
実践型教員養成を目指して
現代社会は、これまでの価値観やビジネスモデルなどが通用しなくなる変化の激しい時代のなかで、困難かつ予測不可能な状況に直面しています。このような先行きの見えない時代の到来に対して、子供たちが様々な変化に積極的に向き合い、他者と協調して課題を解決していくこと等が学校教育に求められています。
そうした一方で、教職に対するブラック化のイメージが喧伝されたこともあって、多くの教員養成系大学?学部は教員就職率の上昇に悪戦苦闘しています。それはまた全国的な教師不足という新たな問題を惹起させることとなり、教員不足への対応は喫緊の課題となっています。
本学におきましても、こうした課題に対応するため、教員養成機能の強化を目指し、実践型教員養成への質的転換を促す取り組みを継続して行ってきました。そうした取り組みの集大成として、令和5年度に「実践と理論の往還によるスパイラル型カリキュラム」を導入しました。同時に、このスパイラル型カリキュラムの効果を確かなものとし、実践型教員養成の実現と教員志願者の増加という2つの目標を達成するため、部局横断型組織である「教員養成イノベーション機構」を設置しました。
本機構では、実践型教員養成の実現と教員志願者の増加という2つの目標の達成に向け、教員養成課程3キャンパスの課題の把握とその解決を通じて、3キャンパスの強み?特色を最大化させることに努めます。なかでも、本機構の要ともいえる「教学マネジメント部門」は、学生の学修状況に関する各種データの集約?管理?分析を行い、その結果をもとに教員養成課程3キャンパスの教育改善を支援するとともに、教員養成課程の課題の把握と改善に向けたマネジメントを実施していきます。
「先進教員養成研究部門」「FD研修部門」「CBT研究?展開部門」「教職意欲育成部門」といった4つの部門は、「教学マネジメント部門」のマネジメントのもとで、IRセンターをはじめとした全学教育研究機関や他の部門との連携、あるいは教員養成課程3キャンパス間の連携?協力をコーディネートすることにより、教員養成課程の課題の把握と改善に向けた取り組みを展開していきます。また、その成果を教員養成系大学?学部とシェアするため、積極的に発信していきます。
その上で、本機構は教員養成課程3キャンパスにとどまることなく、学科が置かれた2キャンパスとの連携?協働も視野に入れることにより、教育イノベーションを牽引する拠点としてさらに進化発展を目指していきます。