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NEWS(お知らせ)部分日食と半影月食の観測をおこないました

2016年3月31日

平成28年3月9日(水)の部分日食は、国内ではおよそ4年ぶりということもあり、マスコミでも大きく取り上げられていました。しかしながら、当日は道東地域を除き、全国的に悪天候に見舞われ、がっかりされた方も多数おられたことと思います。

釧路校学校カリキュラム開発専攻 理科分野 地学研究室では、この3月9日の部分日食と、その2週間後の3月23日(水)におこった半影月食の観測を行いましたので、これらの結果をご報告します。

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1. 部分日食の観測(3月9日)
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写真1.観測のようす[左]と対物レンズの前に装着された減光フィルム[右].

?当日は晴天となりましたが、気温が低い上に、雲が多く、ときおり強い風の吹くあいにくのコンディションとなりました。天文ドームの観測機材が故障中のため、観測は屋上で天体望遠鏡3台を設置して行いました(写真1左)。

 天体望遠鏡で太陽をのぞいて大丈夫なのか心配されている方、安心して下さい。その秘密は対物レンズ前に装着した減光フィルムです(写真1右)。これによって、太陽の明るさが1/10万に減光されますので、天体望遠鏡をのぞいて安全に観測することが出来るようになります。

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写真2.部分日食の全過程.右上より約10分おきに撮影.

?釧路市では10時39分53秒に食が始まり、太陽の下のやや右側から徐々に太陽が欠け始めました(写真2右上から2番目)。欠けている部分(=新月)は左方向に移動していき、11時23分41秒に食の最大(食分0.161)を迎えました(写真2右下)。その後、欠けている部分は徐々に小さくなり、12時07分17秒に部分日食は終了しました(写真2左下)。

 春休み中のため、学生の参加者がいなかったのは残念でしたが、当日はさまざまな分野にまたがる3名の教員が観測に参加しました。

 尚、次回の国内での部分日食は約3年後の2019年1月6日となります。

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2. 半影月食の観測(3月23日)
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写真3.観測のようす.


?日食は月(新月)が太陽を覆い隠すことによりおきる天文現象ですが、月食は月(満月)が地球の影を通過することによりおこります。当校ではすでに2014年10月8日と2015年4月4日に皆既月食観測会を開催していますが(?皆既月食観測会を行いました?釧路校天文部と地学研究室が皆既月食観測会を開催しました )、今回は、半影(太陽の一部を地球が覆い隠すことによりできる影)を月が通過することによっておこる半影月食を観測しました。

 この時期、釧路の夜間の気温は低いため、観測は天文ドーム内に観測機材を持ち込んで行いました(写真3)。当日は半影月食開始時刻の18:37を過ぎても東の空に厚くたちこめている雲が月を覆い隠しており、観測が危ぶまれました。しかしながら、18:50頃から次第に雲が切れ、その後は薄雲ごしでしたが、22時57分までの約4時間におよぶ全過程を観測することができました。

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写真4.半影月食の全過程.19:00から23:00までの30分おきに撮影した画像を合成.月は地球の半影を右から左に移動している.
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ただし、半影月食ですので、月食が起きているのかどうか、皆既月食や部分月食のように肉眼でははっきりとは分かりません。そこで、30分おきに撮影した写真を観測後に合成したところ、食の最大の20時47分を中心に月の下側が薄暗くなっていたことがわかりました(写真4)。尚、今年は半影月食の当たり年で、8月18日と9月17日 にも半影月食が起こります。

 以上、2016年3月に起こった2つの天文現象の観測結果をご報告しました。

 今年はおよそ2年ぶりの火星の接近(5月)など、これからもさまざまな天文現象が起こります。平成28年度の釧路校の新入生のみなさんとこれらの天文現象を一緒に観測できるのを楽しみに待っています。


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