学校臨床心理学専攻が立ち上がってから20年がたち、修了生は300名(2023年3月現在)にもなります。
本専攻は発足当初から二つの目的をもっていました。一つは、研究が研究として独立しているのではなく、あくまでも現場をベースとした実践的な学びとそれを発展させて研究につなげることです。もう一つは、臨床心理学と教育学とのコラボです。本専攻には臨床心理士を目指す学生、教員を目指すあるいは現在、教員である学生、教育センターや巡回相談員等の教育職、看護師や作業療法師等の医療職、刑務官等の司法職、児童デイや養護施設などの福祉職等々のさまざまな職種についている学生もいます。学生として学びながら多職種の視点が分かることは、本専攻の独自性と考えています。こうした多様な学生の期待に応えるために臨床心理学をベースとした専門性と教育学をベースとした専門性を備えた教員がおります。多角的な方向性から学生を指導してまいりました。
研究の視点を養うことは内省力を高め、自己研鑽する力につながります。本専攻では、問題意識をもち、論点を整理し、文献を読みつつ情報を取り入れ、そこを基に自分の考えを構築できる人材を育ててまいりました。
学校現場で信頼され、子どもたちの支援ができるだけではなく、学校でのリーダーシップが取れ、チーム学校として学校内外と連携できる力。臨床心理士として教育?福祉?司法?医療の現場でクライエントだけではなく、地域社会や環境にも目を向けていける力等をもった対人援助職を輩出している大学院として信頼をいただいていると自負しています。
さらに一旦、現場に出てから博士課程に進学した学生もおり、現在、研究職についている学生は20名ほどいます。
本専攻は、これからも揺ぎ無く、北海道全域に私たちが養成した学生たちを送り続け、地域に貢献出来る対人援助職を担える修了生を輩出し続けていこうと考えています。